在ハイチ米大使館の車列に襲撃、1人負傷 ギャングが関与か
(CNN) カリブ海の島国ハイチで14日、米大使館の車列が何者かに襲撃され、ハイチ人の運転手1人が軽傷を負った。大使館職員にけがはなかった。米政府高官や国務省報道官が明らかにした。
国務省報道官によると、武装集団がハイチ国家警察の車両や米大使館の車両、商用車両を銃撃し、車列に同行していた商用車両のハイチ人運転手が負傷した。命に別条はなかった。
「現時点でそれ以上の情報はない」と報道官は話している。
ハイチの治安関係者によれば、米大使館の車列を襲撃したのはギャング集団「400マオゾ」だった。
ハイチではギャング集団による凶悪犯罪が横行し、1年前に現職の大統領が暗殺された。首都ポルトープランスではこの夏、住宅地一帯が放火されて数千世帯が避難を強いられたり外出できなくなったりする事態に陥った。
10月下旬には政治家が自宅前で射殺される事件が発生。国際移住機関(IOM)は同月、ギャング絡みの犯罪で避難したポルトープランスの住民の数は過去5カ月で3倍に増えたと伝えた。
IOMによると、今年6月~8月にかけ、11万3000人以上がポルトープランスから国内避難した。このうちほぼ9万人は、「ギャング同士、ギャングと警察、社会的衝突に関係する都市部の暴力」が原因だった。
ポルトープランスでは身代金目的の誘拐が横行して市民の日常生活が脅かされる状況が続く。ここ数週間は燃料の高騰やインフレ、野放しの犯罪に抗議して、首相の辞任を求めるデモが複数都市で行われている。