マレーシア下院選、多数党なし マハティール元首相は落選
(CNN) 19日投開票のマレーシア下院選は、イスマイルサブリ首相の与党「統一マレー国民組織(UMNO)」が大敗を喫し、いずれの政党も過半数の議席を確保できない「宙づり議会」となった。97歳のマハティール元首相は過去53年で初めて落選した。
220議席のうち1つを除く全議席が確定した20日午前の選管発表では、アンワル元副首相率いる野党勢力「希望連盟」が82議席を獲得。ムヒディン前首相の「国民同盟」が73議席でこれに続いた。国民同盟には、イスラム法(シャリア)を重視するイスラム政党も含まれている。
過去60年以上にわたって政権を維持してきたUMNOなどの中道右派政党で構成する与党連合「国民戦線(BN)」は、わずか30議席にとどまった。
希望連盟と国民同盟は20日、ともに勝利を宣言し、連立交渉を活発化させた。憲法の規定により、どちらが多数党かを判断する権限は国王が握っている。
同国で首相が交代するのは、過去4年間で4回目。有権者の間では政治の安定を望む声が強い。最近の豪雨や洪水の被害にもかかわらず、国営メディアによると投票率は推定73.89%に達した。