中国西部ウルムチ、ロックダウンに抗議デモ 「段階的に」緩和へ
(CNN) 中国西部、新疆ウイグル自治区ウルムチ市で8月から続く新型コロナウイルス感染対策のロックダウン(都市封鎖)措置への抗議デモが発生し、当局は制限の一部を「段階的に」緩和する方針を打ち出した。
抗議デモの発端となったのは、市内で24日に起きたマンション火災。現地の消防当局によると、少なくとも10人が死亡、9人が負傷した。
この時にロックダウンの制限が原因で消防士らの現場入りが遅れたとみられる場面のビデオが拡散し、市民らの怒りが爆発した。
中国のSNSで25日夜に拡散したビデオには、行政機関のビルに向かう大規模なデモ行進や、ロックダウンのフェンスを突破して当局者らと言い争う住民らの姿が映っていた。
同市では厳しいロックダウン措置にもかかわらず、1日に100人前後の新規感染者が確認される状態が続く。
地元当局者らは26日の記者会見で、「低リスク」指定の街区ではロックダウンを段階的に緩和するとの方針を示した。
1日の中で時間をずらして、自宅の建物から出ることを許可するという。ただし街区内のすべてのマンションが「低リスク」となるまで、敷地の外には出られない。
会見に臨んだ当局者は抗議デモがあったことを認めず、緩和の時期や対象となる住民の数には言及しなかった。
中国では各地で厳しいロックダウンへの反発が強まっている。
24日には南西部の重慶市でマンションの住人男性がロックダウンを批判し、「自由がなければ死んだほうがましだ」と演説して歓声を浴びた。聴衆は男性を「英雄」とたたえ、連行しようとする数人の警官を力ずくで阻止した。