イスラエル軍、16歳のパレスチナ人少女を射殺 「故意はなかった」と説明
エルサレム(CNN) イスラエル国防軍(IDF)は12日、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸で16歳のパレスチナ人少女を射殺したことを確認した。11日夜に同地を急襲した際に、武装集団を狙った射撃で「意図せず」少女が死亡したと説明している。
「これまでの調査の結果、死亡した少女は、部隊が銃撃された地域において、屋根の上の武装集団を狙った意図しない銃撃を浴びたことが分かった」。IDFは声明の中でそう述べ、「戦闘環境の中にいて、銃撃戦の最中に武装テロ集団の至近距離にいた人を含め、無関係な民間人に危害が及んだことを遺憾に思う」とした。
死亡した少女のおじは12日、CNNの取材に対し、少女は顔面に2発、首に1発、肩に1発の銃弾を浴びたと語った。
家族と一緒に自宅にいた少女は、人々の悲鳴を聞いて何が起きているのか確認しようと、屋根に行ったという。
兵士たちが立ち去った20分後、娘を探しに行った父親が、顔面血まみれで地面に倒れている娘を発見した。
イスラエルのガンツ国防相はIDFの発表を前に、「もしそれが本当であれば、彼女の死に、そしてテロに無関係な人の死に悲しみを覚える」と述べていた。
パレスチナの通信社WAFAによると、今回の襲撃ではほかにもパレスチナ人2人が負傷し、3人が逮捕された。IDFはテロに関与した容疑で3人を逮捕したことを確認した。
ヨルダン川西岸で殺害されたパレスチナ人は、今年に入ってこれで166人になった。パレスチナ保健省によれば、ここ10年あまりでこれほど多くの死者が出たことはなかった。イスラエル側は、死者の大部分は武装集団か兵士に危害を加えようとした相手だと主張しているが、人権団体によれば、近くにいた人たちも殺害されている。