兵士のため一般ロシア人が靴や防弾ベストを購入、政府は供給問題の解決目指す
先月にはSNS「テレグラム」のチャンネルにDPRの兵士1人が登場し、自らの所属する74人編成の部隊に医薬品や衣類、靴などが届いたと明らかにした。このほか調達された物資として制服や保温下着、靴下、帽子、防寒用の目出し帽、セーター、ベレー帽、発電機、充電器を挙げた。
動員批判を受けロシア兵の母親らと面会するロシアのプーチン大統領=11月/President of Russia
ロシア連邦内の複数の共和国もテレグラムの声明を通じ、地元から派遣された兵士らのために防寒具などを送ったことを明らかにした。小学校の児童らが兵士用の靴下の費用を集めた事例も紹介された。
親ロ派が自称する「ドネツク人民共和国」の地域ではウクライナ軍による反転攻勢が続けられている/Serhii Nuzhnenko/Radio Free Europe/Radio Liberty/Reuters
戦地からは兵士らが低体温症にかかるのを防ぎたいとする訴えが特に多く寄せられる。これらの兵士は氷点下の気温の中、適切な衣服や身を隠す施設のない状態での戦闘を余儀なくされている。一方でサーモグラフィーの装置や無線機、防弾ベスト、ドローン(無人機)を調達しようとする動きもみられる。
米シンクタンク、カーネギー国際平和基金の研究員を務めるマキシム・サモルコフ氏は先ごろフォーリン・ポリシー誌に掲載された記事の中で、「一般のロシア人に期待されているのは、運悪く徴集されてしまった自分たちの友人や親類を支援することだ。実際彼らには、国による供給不備の穴埋めをする以外の選択肢はほとんど残されていない。自腹を切って自らの愛する人たちを守るしかない」と分析した。