負傷兵の胸部から不発の擲弾を摘出 ウクライナ軍の医師が危険冒し手術
(CNN) 負傷したウクライナ軍兵士の胸部から、手術によって不発の擲弾(てきだん)を無事に摘出する出来事があった。同軍の軍医らが明らかにした。
同軍の衛生兵が9日、フェイスブックで共有した画像には、当該の兵士の上半身を写したX線写真が含まれる。写真から擲弾の存在も確認できる。
手術には危険が伴った。手術中に擲弾が爆発しかねないとして、摘出は「電気凝固法」を施さずに行われた。電気凝固法は電気を使用して出血を抑制する医療措置を指す。
上記の投稿によると、摘出の現場には「工兵2人が立ち会い、医療スタッフの安全を確保した」。軍で最も経験豊富な医師の一人が手術を担当したという。
手術は成功し、患者の兵士は回復に向けたリハビリを行う予定だと、投稿は伝えた。
擲弾は通常グレネードランチャーから発射されるタイプのものだったという。ウクライナ軍は手術がいつ、どこで行われたか、あるいは当該の兵士が負傷した経緯について明らかにしなかった。
ロシアの侵攻から1年を迎えようとする中、ウクライナ国内の病院は逼迫(ひっぱく)した状況にある。
先月には東部クラマトルスクの病院の医療チームが、1日で100人前後の患者を治療する事態にも見舞われた。ロシアが支配下に置く領土からの空襲が続き、避難の間に合わない人々が多数に上ったためとみられる。