英政府、抗議デモ対応で警察の権限強化へ 民主主義からかけ離れた動きと人権活動家ら

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破壊行為の被害に遭うロンドン・パーラメントスクエアのチャーチル像=2020年6月/Isabel Infantes/AFP/Getty Images

破壊行為の被害に遭うロンドン・パーラメントスクエアのチャーチル像=2020年6月/Isabel Infantes/AFP/Getty Images

政府の動きに批判的な人々は警察官の権限について、現行のままでも手に負えないもしくは破壊的な抗議活動には対処できると指摘する。

国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)の英国担当責任者を務めるヤスミン・アフメド氏はCNNの取材に答え、警察が抗議活動を適切に処理できる権限があるのは極めて明白であり、それは数十年変わっていないと主張。「抗議する権利は基本的なもので、生活費の高騰や気候変動の危機にさらされている現状では特にそうだ。公衆衛生サービスも崩壊の瀬戸際にある」とした上で、政府は貧困ライン以下の人々を救うのではなく、余計な時間を使って反対意見を唱える人たちを押しつぶしていると批判した。

このほか第一線で人権問題に取り組む弁護士のアダム・ワグナー氏は、当該の法案によって政府は人権法違反の罪で訴えられる可能性があるとの認識を示した。

野党・労働党で影の閣僚を務めるサラ・ジョーンズ氏は声明で、警察が危険かつ破壊的な抗議活動に対処する権限を行使するのは党として支持するとしつつ、「女性や少女に対する暴力が蔓延(まんえん)していることや、政府が犯罪の訴追で満足な成果を挙げていないことについては十分に言及していない」と批判した。

前出のHRWのアフメド氏は、抗議活動を止める権限が政府にあるとする議論について、専制国家で語られている理屈と同じだと懸念を示す。

「もし人々が抗議や既成のものを破壊する権利を持っていなかったなら、我々は今日のような民主主義の中で暮らしてはいないだろう」(アフメド氏)

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