主力戦車のウクライナへの供与、「現時点で」意味をなさない 米国防総省
(CNN) 米国防総省のシン副報道官は19日、同国の主力戦車「M1エイブラムス」のウクライナへの供与について、「現時点で意味をなさない」との認識を示した。これに先立ちドイツの当局者は、米国製戦車がウクライナへ引き渡されない限りドイツが自国の戦車をウクライナに供与することはないと述べていた。
シン氏は米国によるウクライナ支援について、既に歩兵戦闘車「ブラッドレー」を供給していると指摘。さらにその他の国々も支援を拡充し、装備や物資を可能な範囲で供与し続けていると述べた。
その上で「突き詰めればこれはドイツが決めることだ。どのような安全保障上の支援を提供するのかは、ドイツが国として判断する。従って我が国が口をはさむことはないが、我が国は間違いなくできるだけのことをしていると考える。それによってウクライナに必要な支援を行っている」と付け加えた。
オースティン米国防長官は20日、ドイツで開かれるウクライナ向けの軍事支援について協議する国際会議に出席する。ロシアと戦うウクライナにどのような種類の装備や武器が必要か話し合う中で戦車の問題は確実に議題に上るとみられるが、米国の当局者は再三にわたり、ドイツ側が独自の判断を下せると明言。また「M1エイブラムス」については、メンテナンスなどの観点からウクライナへの供与が難しくなっていると指摘している。
西側諸国に対しては、ウクライナへ戦車を供与するよう求める圧力が強まっている。フランス、ポーランド、英国はウクライナ軍へ近く戦車を引き渡すことを約束。フィンランドもこれに続くことを検討している。
ドイツは歩兵戦闘車を引き渡すとしているものの、まだ戦車の供与を約束するには至っていない。