グレタさん、炭鉱拡張の抗議活動で警察に拘束 ドイツ
(CNN) スウェーデンの環境保護活動家グレタ・トゥンベリさんが17日、ドイツ西部の村リュッツェラートでの炭鉱拡張の抗議活動に参加し、警察に拘束された。CNNの提携会社で現地ニュース専門チャンネルのNテレビが報じた。
トゥンベリさんは週末、何千人もの活動家や抗議者と共にリュッツェラートの廃村に反対する抗議活動を行っていた。廃村によってドイツの大手電力会社RWEは、所有する露天掘りのガルツバイラー褐炭鉱の拡張が可能になる。
立ち退きが完了すればRWEは村の周囲に長さ1.5キロのフェンスを設置して封鎖し、村の建物や通り、下水道を取り壊す計画だ。
炭鉱の拡張は環境活動家にとって大きな意味を持つ。環境活動家らは、エネルギーを得るために石炭を燃やし続けると地球温暖化につながる二酸化炭素が増え、世界の気温上昇を産業革命前の時代から1.5度以内に抑えることを目指すパリ協定に反すると主張している。褐炭は石炭の中で汚染度が最も高い。また石炭自体、汚染度の最も高い化石燃料とされる。
トゥンベリさんは13日、炭鉱拡張に抗議するためにリュッツェラートにいるとツイートし、抗議活動への参加を広く呼び掛けていた。14日の抗議集会で発言した後、15日に1度拘束されていた。17日の拘束は2度目だった。警察の報道官が明らかにした。拘束に当たって抵抗することはなかったという。
現地では今月、環境活動家と警察の間で衝突が発生していた。抗議者が撮った写真には、人々を立ち退かせようとヘルメットなどで防護した警察官が映っている。CNNが以前報じたように、抗議者の中には炭鉱拡張のために立ち退きを迫られた村民が放棄した家を占拠し、2年以上リュッツェラートに立てこもっている人もいる。
抗議者の排除には警察官1000人超が動員された。村の建物の大半はすでに取り壊され、掘削機械などがある。
警察は17日に拘束した人々について、同日のうちに釈放する予定だとしている。ロイター通信が報じた。