チェチェン人部隊の元指揮官、ロシアのトルコ地震救援を主導 戦争犯罪容疑で手配
(CNN) 巨大地震に見舞われたトルコで、チェチェン人部隊の元指揮官ダニール・マルティノフ氏がロシアの救援活動を主導していることが分かった。マルティノフ氏は昨年戦争犯罪に及んだとしてウクライナ当局から指名手配されている人物。
マルティノフ氏はロシアによる侵攻開始当初、ウクライナの複数の場所で姿が目撃されていた。チェチェン共和国のカドイロフ首長に近い人物とみられており、カドイロフ氏の公式テレグラムチャンネルにも何度か登場したことがある。
マルティノフ氏は昨年、ロシア非常事態省の顧問に任命され、ここ数日はトルコの被災地からロシアメディアのインタビューに応じている。
トルコとシリアでは6日未明にマグニチュード(M)7.8の地震が発生し、生存者の救出は時間との戦いになっている。救助活動を支援するため、これまでに数十カ国が救援隊を派遣した。
ウクライナ保安局(SBU)は昨年8月、マルティノフ氏が首都キーウ北郊のボロジャンカで複数の戦争犯罪に及んだと主張していた。
SBUはマルティノフ氏について、チェチェン共和国におけるロシア国家親衛隊の副隊長だと指摘。「カドイロフ氏の身辺警護部隊の訓練を担う」人物との見方を示している。
SBUによると、マルティノフ氏は昨年3月、ボロジャンカにある精神科病院の占拠を主導。同氏の命令により、患者や職員、地元住民ら500人近くが人質に取られ、その中には寝たきりの患者も100人以上いたとされる。
マルティノフ氏がウクライナ側の主張に対応したことを示す記録はない。カドイロフ氏は昨年8月にSBUの主張を一蹴した際、「マルティノフ氏に関していえば、彼は我々のもとで働いているわけではなく、非常事態省の一員だ」と述べていた。