ロシアによる黒海の制海権阻止、ウクライナ国防相が戦果強調
(CNN) ウクライナのレズニコウ国防相は16日までに、同国軍はロシアによる黒海の制海権の掌握を阻止し続けているとの戦況を報告した。
予測を示すことや見解の値踏みはしたくないとしながらも、黒海に面する南部オデーサ州などが制圧されるリスクに関して言えば、ロシアは黒海を押さえなければならない事情があると指摘。記者会見で「我々はこの機会を彼らに与えてはいない」と述べた。
国防相は黒海の支配権をめぐる攻防で、ウクライナが開発した対艦ミサイル「ネプチューン」の効用にも言及。昨年、ロシアのミサイル巡洋艦「モスクワ」を標的にした攻撃にも使った事例に触れた。
また、米国製の対艦ミサイル「ハープーン」も駆使していると説明。その上で「ロシア軍が海上からオデーサへの接近をうかがう機会はないと判断している」とも述べた。
一方、ウクライナのインフラ省は16日までに、黒海を経由したウクライナ農産物の輸出についてロシアが積み込み作業のためウクライナ港湾に寄港する船舶の「査察業務を妨害している」と主張した。
進入を試みるこれらの新たな船舶の数はオデーサ州の広範な港湾で減り続けていると説明。これらの妨害行為は黒海へ通じるトルコのボスポラス海峡の査察海域などで起きているとし、ロシア側による事実にそぐわず、時には理不尽なまでの理由を突きつける遅延行為は3カ月連続で続いているとも述べた。
同省がSNS上で発表した声明で、ウクライナ農産物の輸出を促進する「共同調整センター」によると、今月12日の時点でこの査察作業を待っていた船舶は145隻。うち122隻がウクライナ港湾への入港を目指していたと報告。同センターは、国連、トルコ、ロシアやウクライナが昨年夏に設立していた。