アフガンの大学、男子のみで新学期スタート 女子学生が抗議
(CNN) イスラム主義勢力タリバンが実権を握るアフガニスタンの大学で新年度が始まり、男子学生が通学を始めるなか、大学教育を停止された女子学生らが抗議デモを展開した。
カブール大学の前には6日、若い女性が抗議に集まった。SNSで拡散した動画には、女子学生らが座り込み、本を読む姿が映っている。だだし、CNNは動画の撮影日時を独自に確認していない。
タリバンは2021年に実権を握ってから、女性の権利を厳しく制限してきた。昨年3月に女子の中等教育を禁止し、12月には大学教育も停止すると発表。女子学生がイスラム教の服装規定や男性保護者の同伴義務などを守らないからだと説明した。
タリバン暫定政権の高等教育省は6日、複数の州で新年度の授業が始まり、すべての教員や学生が「安全で落ち着いた」環境の中で出席したと発表した。
カブール市内の大学からの写真には、男子学生で埋まった教室の風景や、女子学生の顔をスプレー塗料で消した横断幕などが写っている。
一方、アフガンの人権状況に関する国連特別報告者、リチャード・ベネット氏は6日、国連人権理事会に提出した報告書の中で、タリバンによる女子教育の禁止は性別を理由にした迫害として、人道犯罪に相当する可能性があると主張した。
報告書はこのほか、子どもの強制結婚、性的虐待と性的暴行、公園や体育館からの女性締め出しといった問題を挙げ、人権侵害が深刻化していると訴えた。