ロシア、戦闘機と米軍ドローンの「接触」を否定
(CNN) 米軍のドローン(無人機)の「MQ9リーパー」がロシア軍の戦闘機と衝突したとされる問題で、ロシア国防省は14日、声明を出し、自国の戦闘機は「搭載兵器を使っておらず、接触もしていない」と明らかにした。
国防省は「ロシア軍の空域管制システムは14日朝、クリミア半島近くの黒海上空をロシア国境の方向へと飛行している米国のドローンMQ9を検知した。ドローンは応答装置を切って飛行しており、特別軍事作戦のために設けられた一時的な空域の境界を侵犯した。そのことを国際空域の全ての使用者に伝え、国際基準に従って公開した」と述べた。
ロシア国防省によると、ロシア軍の戦闘機が侵入機特定のために緊急発進した。
国防省は「モスクワ時間午前9時30分ごろに、MQ9は急な動きをした結果、制御不能な状態に陥り、海上に墜落した」と述べた。
同省は「ロシアの航空機は搭載している兵器を使用せず、ドローンと接触もしていない。無事に飛行場に戻った」と説明した。
これより前に、米軍は黒海の公海上空を飛行していた米空軍のドローンがロシア軍の戦闘機と接触してプロペラを損傷したため、墜落を余儀なくされたと発表していた。米国はロシア空軍の行動を「危険でプロ意識がなく、無謀だ」と非難している。
ロシア軍と米軍は共に、ウクライナでの戦争中に黒海上空で航空機を飛行させてきたが、紛争が始まって以来、今回のような事案は初めて。戦争が重要な局面を迎える中、緊迫した事態に発展する可能性がある。