中国、台湾周辺で軍事演習を開始 蔡総統と米下院議長の会談後
台北(CNN) 中国は8日、台湾周辺で3日間の軍事演習を開始すると発表した。台湾の蔡英文(ツァイインウェン)総統は先日、中国の再三の脅しに屈せずにマッカーシー米下院議長と会談していた。
中国軍東部戦区は演習を「台湾分離勢力と外部勢力の共謀に対する重大な警告であり、国家主権と領土の一体性を守るために必要な行動」と形容している。
東部戦区の施毅氏は声明で、台湾海峡および台湾の北、南、東の海空域で戦闘準備を整えた巡視と演習を予定通り実施すると明らかにした。
中国の発表の直後、台湾国防部は台湾海峡上空を飛行する中国軍機計42機を探知したと発表。29機が台湾海峡の中間線を越え、防空識別圏(ADIZ)に入ったと明らかにした。台湾海峡にいる中国軍の艦艇8隻を確認したとも述べた。
蔡氏はこの前日、10日間にわたる中米・米国歴訪から帰国した。米国ではマッカーシー下院議長と会談した。
中国政府は歴訪に対する警告を繰り返し、実施されれば「強力かつ断固とした措置」を取ると示唆していた。中国は台湾を統治したことはないものの、自国の領土の一部だと主張し、数十年にわたって台湾を外交的に孤立させようと試みてきた。台湾を支配下に置くためには武力行使も辞さない姿勢を示している。
台湾国防部は状況を注視していると述べ、国家安全保障と主権を守るために手を尽くすと表明した。
中国は昨年8月にペロシ米下院議長が台湾を訪れた際にも同様の対応を取り、台湾周辺で軍事演習を実施し、台湾上空を通過するミサイルを発射していた。