ウクライナ南部前線に広がる「沈黙」、反攻開始への臆測募る

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ザポリージャの砲撃拠点に配備されたウクライナ軍の兵士/Muhammed Enes Yildirim/Anadolu Agency via Getty Images

ザポリージャの砲撃拠点に配備されたウクライナ軍の兵士/Muhammed Enes Yildirim/Anadolu Agency via Getty Images

ロシア軍ブロガーはわずかなコメントしか残していない。ウクライナ側が作戦上の安全を期すため統制を強める中、過去の攻勢ではこうしたブロガーがウクライナ軍の動きに関する最初の情報源となっていた。コパニ、マルフォピル、カミアンスケ、ポロヒーはすべて、親ロシアのブロガーがウクライナ軍が前進を試みる地域として挙げた場所だ。ただ、こうした主張は根拠が著しく不明確で、ブロガーも過去の発言での実績が欠けている。

ロシアはウクライナの標的とみなすものに空からの攻撃を試みている。ザポリージャから南東約64キロにある街オリキウでは、軍の拠点に見えるあらゆる施設が繰り返し爆撃を受けた。スポーツ学校から農家の倉庫まで、無人の建物は今は巨大なクレーターと化している。ウクライナが南部反攻を開始する可能性のある地域の東端に位置するブフレダルの集落は、この48時間で複数回の激しい空爆を受けた。

こうしたロシア軍による激しい無差別の攻撃は、今後数週間の大きな賭けを予兆するものとなっている。ロシアはそれがやがて来ると6カ月も前から知っていた。

ロシアには準備する時間が十分あった。同国のプーチン大統領は先週、自ら戦地を訪れ、防衛の最前線に立つ予定の空挺(くうてい)部隊のトップに面会した。兵士らは塹壕(ざんごう)や防衛線のネットワークを巡らせた。ウクライナ軍はそこでつまづくか、迂回(うかい)を迫られることになるだろう。

今はロシアにとってこの戦争で決定的に重要な時期となる。ロシアの指導者らはこれまで、残されたわずかなリソースを、戦略的に重要でないウクライナ東部ドネツク州のバフムートに投じてきた。だがそれもいまだ成功には至っていない。

これまで両軍に多大な被害が出た。厳しい冬の戦いで、街が認識できないほど破壊された。それでも、ロシアは市全体を掌握すれば手にするはずの小さな戦果を挙げられていない。仮に勝ち取ったとしても、もはや居住不可能ながれきの上での勝利者となる。

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