ウクライナ南部前線に広がる「沈黙」、反攻開始への臆測募る

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前線近くの演習場で戦車の上に立つウクライナ軍の兵士/Reuters

前線近くの演習場で戦車の上に立つウクライナ軍の兵士/Reuters

ウクライナ・ザポリージャ(CNN) 装甲車両が増えていてよさそうな広大な空き地。どこからともなく現れては消えていく泥に刻まれた戦車のわだち。地元の人によれば、遠くに聞こえた砲撃戦はやがてしずまっていく。

こうした沈黙が状況を物語り始めた。ウクライナは戦略的に極めて重要となる反攻の開始を隠そうと努力している。昨夏、北東部のイジュームやハルキウの周辺で始まった迅速かつ抜け目のない進撃がそうだったように、我々が反攻の成功を知るのはそれが完全に達成されてからかもしれない。

ウクライナのマリャル国防次官は先週、反攻の発表は行わないと述べた。

一方、ロシアもウクライナ側の勢いを語りたがらない。恐らく、自軍の兵士の既に弱まっている士気をさらに打ち砕かれることを懸念しての対応だろう。米シンクタンク「戦争研究所」は23日、ウクライナ軍がヘルソン周辺でドニプロ川を渡ったとするロシア軍ブロガーのコメントを報告した。人数は少なくても、ロシア側にとってウクライナ軍がいて欲しくない場所への上陸となる。

この上陸がどれほど継続したもので、前例のないものなのか、またそれがウクライナ側の大きな計画でどんな役割を担うのか、明らかとなっていない。ウクライナ軍南部作戦管区はほとんど発表をせず、あいまいに「忍耐」を求めるのみだ。軍報道官は「軍事作戦の状況は、軍にとって十分な安全が確保されるまで情報を開示しないことを要求する」と述べた。

この10日間、ウクライナは明らかにザポリージャ地域全体について沈黙している。この地域では反攻が行われると強く予想されている。ウクライナ軍が占領されたクリミア半島をウクライナ東部の占領地域及びロシア本国から切り離すにはここしかないからだ。

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