パキスタンのカーン前首相逮捕、準軍警察が裁判所に突入 イスラマバード
イスラマバード(CNN) パキスタンの準軍事警察部隊が9日、首都イスラマバードの高等裁判所に突入し、建物内にいたカーン前首相(72)を複数の汚職容疑で逮捕した。
カーン氏は昨年、議会の不信任決議で失職し、その後数カ月にわたり政治的混乱が続いていた。
CNNが確認した裁判所の書面によると、逮捕は反汚職機関の国家説明責任局が追及する容疑に基づくもの。
カーン氏はこの日、生体データを提出するために出廷していた。カーン氏の政党「正義運動(PTI)」がCNNに提供した動画には、部隊が窓を破って突入した際、同氏がサングラス姿で平然と様子を見守っている様子が映っている。別の動画には、車両から出て警棒を握る部隊の様子も見られる。
逮捕後、西部クエッタではカーン氏の支持者による抗議デモが発生した。支持者が警察に投石したり、警察車両に火を付けたりして、警察も群衆に向かって警告射撃を行った。支持者の1人が撃たれて死亡したほか、逮捕者が数人出た。
PTIは動画投稿サイト「ユーチューブ」にカーン氏が事前録画していた映像を投稿した。カーン氏は「私の言葉を聞くときには、私は誤った容疑で拘束されているだろう。我々に権利と民主主義を保障するパキスタン憲法は葬り去られた。おそらく私が再びみなさんに話しかける機会はないだろう」と述べた。
カーン氏は自分は常に法を守ってきたとも述べ、「私に政治的な道を進ませないために私は拘束されようとしている」と主張。支持者には「自分たちの基本的権利への支持を示せ。簡単に自由が与えられる国はない」と呼びかけた。