豪州人サーファーにむち打ち刑か、酒に酔い傷害 インドネシア
(CNN) インドネシア西部スマトラ島の北東部に位置するアチェ州の警察当局などは、同州シムルエ島を訪れていたオーストラリア人サーファーが酒に酔って地元の漁師を襲い、負傷させた疑いがあるとして逮捕したとこのほど発表した。
アチェ州はイスラム教の戒律がより厳しい土地柄で、特別自治の権限も付与され、インドネシアではイスラム法(シャリア)の導入が唯一認められている州となっている。同性愛行為やアルコール類の飲酒、賭博などは禁じられている。
この中で豪州クイーンズランド州南部に住む男性サーファー(23)は禁錮刑と公開の場でのむち打ち刑などに処される可能性がある。
同島の警察署長などによると、容疑者は先月27日、宿泊していたリゾート施設で酒に酔って警備員を襲い、近くの村落の住民を追いかけ殴るなどの乱暴を働いていた。現場での目撃証言も交え、容疑者はほぼ全裸の状態で自室から出て、叫び声を上げて暴行に及んだともした。
被害者の漁師はオートバイから落車し、脚部に重傷を負ったともした。記者会見では容疑者が飲んでいたとするウォッカの瓶も提示していた。
地元警察によると、容疑者は飲酒などの罪に問われる見通しだが、イスラム法もしくは通常の州法のどちらかを選ぶ権利は得られるとした。イスラム法で有罪が確定した場合は計40回のむち打ち刑や最長2年6カ月までの禁錮刑が科される可能性がある。
州法なら最長で禁錮5年の可能性があるとした。
容疑者の家族は声明を出し、「当人は今回の振る舞いを恥じており、インドネシアの人々の文化と法律をばかにしたことを謝りたいとしている」と述べた。
アチェ州では過去にも男女に対する公開のむち打ち刑が実行され、国際的な非難も浴びていた。