投資詐欺疑惑の女は死亡と断定、切断された足の漂着から2年 オーストラリア
香港(CNN) オーストラリアで投資家から多額をだまし取ったとして警察が行方を追っていた自称金融コンサルタントの女について、ニューサウスウェールズ州の検視官は25日、死亡していたと断定した。この女のものとされる足が海岸に漂着して以来、2年以上がたっていた。
死亡と断定されたのはメリッサ・キャディック容疑者。これまで自分が死んだと見せかけて逃亡したなどとする説が飛び交っていた。
検視官は裁判所に提出した書面の中で、キャディック容疑者は息子への執着心が非常に強かったことから、もし生きていたとすれば何らかの形で息子に接触しないはずはないと指摘。息子への接触が一切ないことが、死亡を裏付ける何よりの証拠だとした。
しかしキャディック容疑者が死亡した経緯や死因は特定できておらず、多くの謎が残されている。
検視官は、同容疑者が自殺を図って自宅近くの崖から転落した可能性があるとの見方も示した。
キャディック容疑者は自分を金持ちに見せるため、高級ブランドやジュエリーを身に着け、郊外の邸宅に住んでいた。
しかし警察が金融詐欺の疑いで捜査に乗り出したことで、そのイメージは崩壊する。キャディック容疑者は投資詐欺を通じて家族や友人から2000万~3000万豪ドル(約18億~27億円)をだまし取っていたとされる。
警察は2020年11月、シドニー郊外にあるキャディック容疑者の自宅を捜索した。しかし警察の捜査が迫る中で同容疑者は失踪。国外逃亡、潜伏、死亡などの説が飛び交った。
事件が転機を迎えたのは21年2月。シドニーから500キロほど南部の海岸で、運動靴の中から腐敗した足が見つかった。
DNA鑑定の結果、この足はキャディック容疑者のものと断定された。しかし何者かに切断されたのか、腐敗してバラバラになったのかは、検視でも特定できなかった。