ウクライナの防空体制、かつてなく強固に ただし鉄壁とはいかず
オレフ氏もこれに同意し、「我々は非常に効果的に任務を遂行しているが、敵を我が国の領土から駆逐するには、間違いなくもっと兵器が必要になる」と指摘する。
ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は、兵士が必要とする物資の入手に努めていると述べ、協力国に追加の兵器供与を要請した。
「ゼレンスキー大統領は他国の首脳と協力して、様々なミサイル防衛装備で構成されるほぼ完全なシステムを構築した」(ポドリャク氏)
「だが、空に鉄壁の守りを敷き、特に誘導爆弾や1.5分で到達する近距離の弾道ミサイルに対抗するには、F16戦闘機が必要となる」
「間違いなく(協力国は)最終的には、空を閉ざす能力を付与してくれるだろう。そうなれば、ロシアは切り札、つまり航空攻撃でウクライナの民間人を恐怖に陥れる能力を失うことになる」
守りから攻めへ
ウクライナが守りから攻めに転じ、来たる反転攻勢の実施準備を進める中、ゲパルトのような防空装備は進軍する部隊の防護にも重要な役割を果たすとみられる。
ナエフ中将は「(防空システムは)反転攻勢を担う部隊の移動中の防護のほか、適切な攻勢部隊の創設や、攻勢実施時には上空援護の観点から非常に重要になる。なぜなら、敵は我々の攻勢の戦闘潜在力をそぐため、持てる戦力を全て投入してくるとみられるからだ」
「戦場で進軍とウクライナ領の解放に成功するかどうかは、質の高い防空システムに懸かっている」
場合によっては、防空システムを攻勢目的で使用することも可能だ。
オレフ氏は「敵が盛んに宣伝しているSu25やSu35、Su54といった航空機は破壊できる」「地上目標、装甲車に対しても対応可能だ」と言い切る。
「我々には他にも兵器がある。軽装甲車や装甲車を攻撃可能な砲弾を使用できる」(オレフ氏)