ウクライナ軍、河川巡視艇隊を創設 戦略河川ドニプロ川を防衛
ロシアによるウクライナ侵攻が始まった初期の段階でウクライナ海軍は制海権を失う事態に追い詰められた。ウクライナはその後、西側諸国が供与した地対艦ミサイル「ハープーン」などを駆使し、ロシア海軍戦力による自国沿岸部への脅威を減殺することに一定の成果を収めていた。
ただ、黒海の制海権掌握では効果的な対抗策を打ち出せない試練が続いている。
しかし、ドニプロ川沿いの戦線は黒海とは異なる展開となる。ウクライナ軍は昨年末、ロシア軍が押さえていたヘルソン州の州都ヘルソンの奪回に成功。ウクライナ軍特殊部隊はこれ以降、ドニプロ川を利用して同川東岸に退却して陣地を構築するロシア軍への破壊工作を実行している。ドニプロ川沿いの一部の島で地歩を固めたともされる。
河川巡視艇隊は現在、戦場から離れた水域で任務をこなしているが、将来的な作戦で出番が与えられる可能性もある。今回の取材に応じた哨戒艇のアントン艇長は「準備は出来ている。必要なら当然戦う」と言い切った。