ロシア戦闘機3機、米軍ドローン3機の飛行を妨害 シリア上空
(CNN) シリア北東部の上空で5日、ロシアの戦闘機3機が米空軍のドローン(無人機)3機の飛行を妨害した。中東地域での米空軍の活動を統括するアレクサス・グリンケウィッチ空軍中将が明らかにした。
グリンケウィッチ氏は米軍のMQ9「リーパー」対するロシア軍機の機動について、「安全性とプロ意識に欠ける」と形容した。当局者によると、MQ9はシリア国内の「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の目標を監視していた。
米中央軍が公開した動画には、戦闘機がドローンの前でパラシュート付きのフレアを放出する様子が映っている。視界を遮るためとみられる。
ロシアの戦闘機はパラシュート付きのフレアを放出/US Department of Defense
グリンケウィッチ氏は「確立された規範や手順に反し、ロシア機がドローンの前でパラシュート付きのフレアを複数投下したため、我々の航空機は回避機動を強いられた」と指摘。「さらに、ロシア軍パイロットの一人は機体をMQ9の前に運び、アフターバーナーを点火した。これによりドローンを安全に運用する操縦士の能力が低減した」とも明らかにした。
シリアでは米ロ両国が活動している。米国は対ISIS連合軍の一員として展開し、ロシアはシリアのアサド大統領を支援している。
今回の異常接近の4カ月近く前には、ロシアの戦闘機が黒海上でMQ9のプロペラを破損させ、米軍が同機を公海上に墜落させざるを得ない事案も起きていた。
ここ数カ月、米国とロシア機の間ではこの種の事案が増えている。米国のドローンだけでなく、シリア上空を飛ぶ有人の米軍戦闘機にロシア機が危険なほど接近した例もある。