黒海軍港への無人艇攻撃、ロシアで憤りと懸念 紛争の「飛躍的拡大」
(CNN) 黒海に面するロシア南部ノボロシスクの軍港が無人艇攻撃を受けたことに対し、ロシアの識者や軍事ブロガーの間では、憤りと懸念の入り交じった声が出ている。
攻撃の結果、黒海のロシア軍艦1隻が大きく傾いた。ウクライナ支配下の領土から数百キロ離れた場所で実施された大胆な攻撃だった。
ロシアのジャーナリスト、セルゲイ・マルダン氏はノボロシスクへの無人艇攻撃について、「端的に言って、紛争の地理的範囲が飛躍的に拡大した。ロシア政府省庁の庁舎に対するドローン攻撃をはるかに上回る」と指摘した。
そのうえで「今日の攻撃から言えることはただ一つ、我々は今後も戦いを迫られるということだ」とした。
ロシアの別のテレグラムチャンネルは、攻撃による被害は出ておらず、無人艇は破壊されたとのロシア国防省の声明に人々は「困惑」していると指摘した。
カプラル・ガシェトキンの筆名で執筆する別の識者は、テレグラムのチャンネルで、「大型揚陸艦の乗組員は攻撃に対する備えができていなかったようだ」と説明。「ウクライナのテレグラムで公開された無人艇からの映像には、無人艇が全く抵抗を受けずに揚陸艦の側面に接近する様子が映っている。誰ひとり無人艇に攻撃せず、気付いてもいないようだ」と指摘した。
ガシェトキン氏によれば、今回の戦争を通じてノボロシスクの海軍基地はロシア黒海艦隊の後方拠点になっており、比較的安全と考えられていたという。「だが、そろそろ気付かなくてならない。敵は『長い腕』を持っていて、その腕は非常に遠くまで届く」としている。