ゼレンスキー氏、新兵募集の事務所統括する全当局者を解任 汚職疑惑広がる中
(CNN) ウクライナのゼレンスキー大統領は11日、地域の新兵募集センターの運営を担当している当局者全員を解任したと明らかにした。同国では広範囲にわたる汚職疑惑が浮上している。
既に戦時の補給品調達を巡るスキャンダルで、ゼレンスキー氏は今年初めに多数の高官を解任。汚職疑惑がメディアに流れてからは、シャポバロフ国防次官が辞任する事態となっていた。
今回の解任は11日の声明で発表した。動画の中でゼレンスキー氏は、「国家安全保障・国防会議を開いた」と説明。軍隊への登録と入隊に携わる複数の事務所を調査した結果、関連する当局者らに対し合計112件の刑事訴訟手続きが行われたと明らかにした。
具体的には「不正蓄財、違法に入手した資金の合法化、違法な利得、軍役に責任を負う人員の国境を越えた違法な輸送」といった問題に言及した。
その上で、地域の軍当局の責任者全員を解任する決断に至ったとした。「当該の制度を運営する人々は戦争の実態を正確に把握し、戦時における皮肉な行動や収賄行為がなぜ国家への反逆に該当するのかをしっかり認識していなくてはならない」とも述べた。
また犯罪捜査の対象となった当局者らは全員責任を問われることになると付け加えた。
ウクライナでは1月に行われた大規模な政府の再編の際にもゼレンスキー氏が複数の当局者を解任。彼らに対し公務以外での外国への渡航を一切禁止すると発表していた。