ロシアの将官が死亡、昨年最高司令官としてウクライナでの戦争を指揮と報道
(CNN) 昨年ウクライナでの戦争で、ロシア軍の最高司令官として指揮を執ったと報じられた将官が18日までに死亡した。ロシアの国営メディアが明らかにした。
ロシア軍のゲンナディ・ジトコ陸軍大将は16日、「長い闘病の後に」死亡した。58歳だった。国営タス通信が伝えた。
ジトコ氏は昨年5月から10月にかけ、ロシア軍東部軍管区の司令官を務めた。報道によるとウクライナにおけるロシア軍全体の戦域司令官として同年夏、リシチャンスクとセベロドネツクに対する攻勢を指揮した。
ジトコ氏の死亡はロシア極東ハバロフスク地方のミハイル・デグチャレフ知事がSNSのテレグラムで最初に発表したが、現時点で当局による公式発表は出ていない。
タス通信が公開したジトコ氏の略歴に、司令官としてウクライナで指揮を執ったことへの言及はない。
報道によれば、同氏がウクライナでのロシア軍の指揮を引き継いだのは昨春、首都キーウ(キエフ)の制圧が失敗に終わった後だったという。司令官への任命は公式に発表されなかったものの、2022年6月に行われたウクライナでの自軍の視察ではショイグ国防相の隣に座るジトコ氏の姿が確認できる。
米ワシントンに拠点を置くシンクタンク、戦争研究所(ISW)は当時、ジトコ氏の任命を「思い切った措置」と説明。同氏が政務官であり、部隊を率いる司令官ではなかったことを理由に挙げた。同氏は前の職務でロシア軍におけるイデオロギーの教化と士気に責任を負う部局のトップを務めていた。また国防省の次官も兼務していた。
タス通信によれば、ジトコ氏にはシリアでロシア軍の参謀総長を務め、勲章を授与された経歴もある。
ISWは、ジトコ氏が昨年10月に戦域司令官並びに東部軍管区トップの役職を解かれたと説明。これに先駆けウクライナ軍は、北東部ハルキウ州で攻勢をかけ急速に領土を解放していた。
この後、ロシア国防省はウクライナでの戦争の新たな総司令官にセルゲイ・スロビキン上級大将を任命。スロビキン氏は今年6月に起きたロシアの民間軍事会社ワグネルによる短期間の武装反乱以降、公の場に姿を見せていない。