不動産価格が高騰、遺灰の保管も高額に 香港
このスペース不足は来世も続く。状況をさらに悪化させているのが香港の急速な高齢化だ。国勢調査のデータによると、現在、香港人の5人に1人以上が65歳以上で、69年までに3人に1人以上にまで増加すると予測されている。
遺灰の収容能力拡大を急ぐ政府
香港人の9割以上が火葬を選択しているにもかかわらず、遺灰を保管する場所は不足しつつある。この一つの要因として、伝統を重んじる中国人は、散骨よりも、死者に敬意を払い、供物をささげられる物理的な場所を好む点が挙げられる。
香港の過去10年間の年間死者数は約4万6000人(善心の収容可能数のおよそ2倍)で推移しており、死者数に見合う遺灰の収容能力を維持するのが難しい状況にある。
現在、政府が運営する納骨施設には利用可能な13万5000弱のニッチがある。20年間のリース料は約300ドルだが、競争が激しく、最近一部の家族が、公共の納骨施設の区画を確保するために数年間待ち続けていると明かした。
香港政府はその対応策として、公共の納骨施設を増やすとともに、善心を含む14の民間コロンバリウムの運営者のライセンスを承認した。
香港食物環境衛生署の報道官によると、20年から22年にかけ、「待たせることなく」約7万7000個の骨壺にニッチが割り当てられたという。
また四つの新施設が25年までに完成予定で、完成すればさらに16万7000ユニットが提供される見込みだ。
同報道官は、過去数年間に公共ニッチの供給は大幅に改善しているとし、現在は十分な数の公共ニッチが供給されていると述べた。