福島第一原発の処理水、海への放出始まる

（ＣＮＮ） 日本で２４日、福島第一原発の処理水の海への放出が始まった。これは物議をかもしている計画の一環で、一部の周辺国や消費者から激しい反発を招いている。

東京電力によれば、放出は午後１時ごろから始まった。

東電は２４日午前の記者会見で、放出される処理水の量は約２００トンから２１０トンにとどまるとの見通しを示した。２５日からは、４５６トンの処理水を２４時間にわたって放出し、１７日間をかけて７８００トンの処理水を放出する。

東電によれば、放出のための設備や処理水の希釈レベルに異常が見つかった場合、直ちに運転を停止し、調査を実施する。

２４日には船を港に出して、放出された処理水が国際的な安全基準を満たしているかどうか監視し、確認のためのサンプルも採取する。

２０１１年の東日本大震災では、地震と津波により、福島第一原発内の水が高濃度の放射性物質で汚染された。これ以降、原子炉内の溶け落ちた核燃料（燃料デブリ）を冷却するために水が注入される一方、地下水や雨水もまざることで、さらに多くの汚染水が発生している。

処理水の放出については、日本を支持する国もあれば、強く反対する国もある。アジアの消費者の多くは、将来の汚染を危惧して塩や魚介類を買いだめしている。

米国や台湾が放出に理解を示す一方、中国や太平洋諸島の国々は反対の声を上げている。

中国外務省の報道官は２３日、処理水放出について、「重大な懸念と強烈な反対」を表明していた。