イスラム教徒の7歳児に平手打ち、教師の指示で児童が順番に インド
ニューデリー(CNN) インド北部ウッタルプラデシュ州の小学校で、教員が児童に指示してイスラム教徒の7歳男児を平手打ちさせている動画が出回り、非難の的になっている。
事件は同州ムザファルナガルの公立学校で24日に発生。動画の中の男子児童はおびえた様子で教室の前に立ち、女性教員がこの児童をたたくようクラスメートに指示している。
泣いている児童を順番に平手打ちするクラスメートに対し、教員は「うまくやりなさい」と声をかけている。たたかれ続けた男子児童がうめき声を上げると、男性の笑い声が聞こえた。
警察は25日、教員がクラスメートに男子児童をたたかせたのは、「時間表を覚えていない」という理由だったと説明した。
教員は男子児童の宗教にも言及し、「モハメッド教徒(イスラム教の信仰者)の児童の母親が自分の子どもの勉強に注意を払わなければ、子どもの成績がダメになる」と言い放ったとされる。
現地の警察はこの教員に対する捜査を進めているが、現時点で立件には至っていない。CNN提携局のCNNニュース18によると、地元当局はこの学校の閉鎖を命じた。
被害に遭った男の子の父親がCNNに語ったところによると、男の子は今は快方に向かっているものの、直後はショックを受けて眠れない状態だったという。学校は閉鎖を命じられたため、男の子は28日から別の学校に通い始めた。
国民からは教員の行為に対する憤りの声が噴出している。野党の有力議員は「罪のない子どもたちの心に差別という毒を植え付けた」とX(旧ツイッター)に投稿した。