G20首脳宣言、ロシア非難の文言は盛り込まず
ニューデリー(CNN) インドで開催されている主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で9日、首脳宣言が採択された。宣言は気候変動問題や経済発展に言及する一方、ロシアによるウクライナ侵攻への明確な非難を避けている。
首脳宣言は「全ての国は領土獲得のための威嚇や武力行使を控えなければならない」とうたったが、ロシアを名指ししてはいない。
核兵器使用に反対し、戦争の経済的影響を強調する文言も盛り込まれた。
現状をめぐってはG20参加国の間で異なる見方や評価があったとする記述もあり、内部の深い溝を認めている。
ロシアのプーチン大統領と中国の習近平(シーチンピン)国家主席は、会議を欠席している。
米国のサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は首脳宣言について、議長国インドの力量とG20の団結力を示したと評価した。
ただし、昨年のG20首脳宣言に「メンバー国の大半はウクライナでの戦争を強く非難する」と明記されたのに比べ、後退したのは事実だ。
ウクライナ外務省の報道官はフェイスブックへの投稿で、「強い文言を盛り込もうとしたパートナー諸国に感謝する」と述べる一方、「ロシアのウクライナ侵攻に関する部分でG20が誇れることは何もない」と批判した。