イスラエル軍、ガザ北部からの24時間以内の退避命令 国連は「不可能」と撤回要求
(CNN) 国連は12日、イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ地区北部の全住民に対し24時間以内の退避を命令したことについて、大きな人道上の代償を払わずに実行することは「不可能」だと反発し、命令の撤回を強く求めた。
国連事務総長のデュジャリック報道官によると、イスラエル軍は現地時間12日夜に国連に対し、ガザ北部の全住民がガザ南部に24時間に移動すべきだと告げた。
国連は「これは110万人近い人々に相当する。同じ命令がすべての国連スタッフや、学校や医療施設を含む国連施設に避難する人々にも適用された」「破滅的な人道的な結果を招かずに実行するのは不可能だ」との声明を発表した。
さらに「国連は既に悲劇となっている事態が破滅的状況に変わるのを防ぐため、こうした命令の撤回を強く求める」と続けた。
イスラエルはガザ地区との境界に30万人を超える予備役を集結させているが、強力な軍事作戦の実行を計画しているか明らかにしていない。
ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスは7日にイスラエルにテロ攻撃を仕掛け、1200人以上が犠牲になった。その後イスラエルはガザの包囲と爆撃を続け、ガザでは飢餓のリスクが高まっている。
パレスチナ保健省によると、ガザではこれまで1500人以上が死亡した。国連によると、空爆で33万8000人以上が避難を余儀なくされた。
ガザでは200万人以上のパレスチナ人が暮らす。イスラエルは2007年以降、陸海空のガザ封鎖を続けている。