支援活動停止は市民の「命綱」の終わり ガザの国連機関
(CNN) 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は25日、イスラエルによる封鎖が続くパレスチナ自治区ガザ地区での活動の停止は、困難な状況にあるガザ市民にとって「命綱」の終わりとなるとCNNに語った。
UNRWAの広報責任者、ジュリエット・トウマ氏によると、UNRWAはガザで最大の人道支援活動を行っている。トウマ氏は声明で「現時点で60万人を避難所に収容している。彼らにとってUNRWAは唯一の命綱だ」と訴えた。
UNRWAは長い間、ガザのパレスチナ難民への不可欠なサービスの提供で重要な役割を果たしてきた。UNRWAのウェブサイトには「何世代にもわたるパレスチナ難民を医療や教育、社会面で支えてきた」とある。
UNRWAは24日、ガザに燃料が供給されなければ、25日夜までに業務停止を余儀なくされるとの厳しい警告を出した。燃料がなければ淡水化プラントや病院の運営、食糧の輸送ができなくなり、ガザでの人道支援は実質的に断たれることになるという。
トウマ氏は「人道をめぐる状況は刻々と悪化している。時間がない」と強調した。
イスラエル軍は、イスラム組織ハマスが既存の物資を備蓄しているとして、燃料をガザに供給しないとの考えを示した。これは、同軍のハレビ参謀総長の、ガザで燃料を入手できるようにするが、ハマスの手に燃料が渡ることは「許さない」という先の発言と矛盾する。
ハマスとイスラエル軍の今回の交戦では、UNRWAは家を追われたガザ市民に教育施設を避難所として提供している。UNRWAの報告によると、イスラエルがガザ北部の全市民に南部への避難を指示する以前から、多くの市民がUNRWA運営の学校に避難していた。