ニュージーランド、たばこ禁止法を撤廃 減税の財源確保のため
(CNN) ニュージーランド新政権は、昨年成立していたたばこ禁止法の撤廃を決めた。減税の財源を確保するためとされるが、保健当局者や反たばこ団体が強い反発を示している。
法律は、2009年1月1日以降に生まれた世代へのたばこの販売を禁止し、違反者には最大15万NZドル(約1360万円)の罰金を科す内容。先進的な政策として注目を集め、来年7月までに施行される予定だった。
同国では先月の総選挙を受け、ラクソン新首相率いる中道右派の国民党と中道のNZファースト党、右派ACT党の連立政権が発足したばかり。
ラクソン氏は禁止政策の一部に同意できないと述べ、法の施行は闇市場の拡大を招くと主張した。
同時に、国内の喫煙率は下がっていると強調。引き続き禁煙教育を進めると表明した。
ニュージーランドの禁止法が世界の注目を集めたのに続き、英国も若者の喫煙率を段階的に下げる計画を発表している。英首相府の報道官は、同国の方針に変更はないと述べた。
ニュージーランド新政権のウィリス財務相は25日、禁止法を来年3月までに撤廃し、たばこ販売による増収を減税に役立てる方針を示した。
これに対してヴェラル前保健相は、前政権と真っ向から対立する政策だと反発を示し、「喫煙率を下げて8万人の命を救うための措置を、減税のために覆すとは」と非難した。
反たばこ団体からも「国民の命がたばこ業界の犠牲になる」など、失望の声が上がっている。