シベリアで列車爆発2件、自国の保安局関与とウクライナ国防筋
(CNN) ウクライナ国防筋は3日までに、ロシア・シベリア地方を走る戦略的にも重要視される鉄道で最近起きた2件の列車爆発にウクライナ保安局(SBU)が関与していることを明らかにした。
これが事実なら、ウクライナはロシアの後方支援態勢に障害を与えるためウクライナ国内の前線からははるかに遠いロシア極東部でも作戦を遂行できる能力を見せつけたことになる。
最初の爆発はバイカル・アムール鉄道の列車が先月29日、モンゴルと国境を接しているシベリア東部ブリヤートにあるトンネルを通過している際に発生。この影響で列車の運行経路がトンネル周辺で変更され、別の列車が近くの橋を渡っていた際に2度目の爆発が起きたという。
同筋によると、爆発はいずれも仕掛けていた爆発物によるものだった。「ロシアはSBUのわなに2度かかった」と評し、ロシアにとって重要な鉄路を麻痺(まひ)させるための特別作戦だったとも説明した。
ロシアのSNS上では、ブリヤート周辺で2件の列車火災が発生したとの情報が流れていた。一部では動画も出回り、線路上で火災を起こしている貨車の様子が収められていた。
ロシアは爆発を攻撃が原因とは位置づけてはおらず、ウクライナに責任をなすりつけてもいない。「貨物列車火災」と形容しているが、当局が「破壊工作」の可能性を探る調査を進めているとの独立系メディアの情報もある。
ウクライナ国防筋によると、ロシアはバイカル・アムール鉄道を軍事的な兵站(へいたん)目的でも使用。ロシアと中国を結ぶ唯一の重要な鉄道路線ともなっている。北朝鮮との間の大事な輸送手段になっているとの指摘もある。
爆発した列車は燃料を運んでいたという。
ウクライナ側は公式には爆発への関与を認めていない。SBUも公式のコメントを出していない。CNNは爆発の発生を独自には確認できていない。