ガザの子ども、飲み水は「極めて少量」 ユニセフ
(CNN) 国連児童基金(UNICEF=ユニセフ)は20日、パレスチナ自治区ガザ地区の子どもたちが1日に使える水の量は通常の約10%で、「極めて少量しか飲めない」状況にあると警告した。
ユニセフの声明には「ガザ地区南部に最近避難してきた子どもたちが使える水は1日に1.5〜2リットルだけ」とある。
ユニセフによると、飲用や洗濯、料理などのために1日あたり必要とされる水は最低でも15リットル。生存するためだけでも最低3リットルが必要という。
ユニセフはガザ地区の水道や公衆衛生のサービスは「崩壊寸前」と指摘した上で、子どもたちは脱水症状や下痢、病気、栄養失調になりやすいため、これらの要因が重なって子どもたちの生存をおびやかす可能性があると警鐘を鳴らしている。
安全な水の不足に加え、このほど発生した洪水などの影響もあり、コレラや慢性の下痢など水を介した病気が特に懸念されるという。
世界保健機関(WHO)は12日、ガザ地区の5歳未満の子ども16万〜16万5000人に下痢の症状があり、この数字は通常よりも「はるかに多い」と指摘した。
ユニセフのラッセル事務局長は「安全な水がなければ、今後数日でより多くの子どもが水不足と病気で命を落とす」と窮状を訴えた。
イスラエルは以前、「国内から水の直接供給」を含め、ガザ地区で「さまざまな人道支援の取り組みを促進している」と説明している。