避難所でコートや帽子で寒さしのぎ睡眠、能登半島地震の死者73人に
今回の地震を受けて、2011年の東日本大震災を思い出した人もいる。東日本大震災では津波が原因で福島第一原発でメルトダウン(炉心溶融)が起きた。2万2000人あまりの死者・行方不明者の多くも津波で発生した。
七尾市に住むタカハシ・コウキさん(28)は東日本大震災のとき、東京で中学生だった。当時東京も大きく揺れたが、震源からは数百キロ離れていた。
タカハシさんにとって、今回の地震はさらに距離が近いものとなった。過去に巨大地震を経験したが、今回はそれよりもひどかったとタカハシさんは話す。
タカハシさんは今回の地震発生時、入浴中で裸の状態だった。服をつかんで外に走り、自分の車に向かった。建物や電信柱が揺れる様子を目撃したという。
余震が頻発し、自衛隊のヘリコプターや車両が通り過ぎる中、1日夜は友人の駐車場に止めた車で眠った。
自分のアパートは損壊しなかったが、かべにはひびが入った。友人の中には家を失った人もいるという。
七尾市の避難所/CNN
多くの被災者が前述のアキヤマさん家族と同じように避難所に身を寄せているが、支援は足りていない。
避難所に屋根はあるが、CNNが2日夜に訪れた際には暖房設備はなかった。人々は床のマットに厚いブランケットをかけて眠り、夜間の気温が4度となる状況で暖を取ろうと、コートや帽子、手袋を使って寒さをしのいでいた。
水道も復旧しておらず、人々は自衛隊からの給水を受けるために外で列に並ぶ必要がある。岸田文雄首相は3日、自衛隊が自治体や警察、消防署と協力して捜索・救助活動に当たっていると説明した。
林氏によると、3日時点で3万4600戸が停電し、電話サービスにも支障が出ている。ヘリコプターによる情報収集を進めているという。