米国務長官、イスラエルが2国家解決に向け動く必要あると発言 安全保障面でアラブ諸国の支援望むなら
(CNN) イスラエルを訪問中のブリンケン米国務長官は9日、イスラエル政府が永続的な安全保障を得るため地域のアラブ諸国からの支援を期待するなら、自国から「2国家解決」に向けて動く必要があるとの見解を示した。テルアビブでの記者会見で語った。
2国家解決とはイスラエルと独立したパレスチナ国家が平和に共存する解決案を指す。
同案に関するブリンケン氏の発言としては最も直接的なものとなる。ブリンケン氏は、イスラエルのネタニヤフ首相が将来の進展を得たいなら、自身の政権が持つ極右の傾向を抑制しなければならないと語った。
「イスラエルはパレスチナ人による実効的な自治能力を後退させる措置を止めなければならない。野放しになっている過激主義の入植者による暴力、入植地の拡大、破壊、立ち退きといった行為はすべて、イスラエルが永続的な平和と安全保障を達成するのを難しくする」(ブリンケン氏)
「イスラエルは、自分たちの人民を率いる意思があり、イスラエルと隣人として平和に共存しようとするパレスチナのリーダーのパートナーにならなければならない」
ブリンケン氏はネタニヤフ氏との会談前にサウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタール、ヨルダンの首脳らと相次ぎ会談した。
ブリンケン氏はこうした首脳ら全員が「長年続く暴力の連鎖を断ち切り、イスラエルの安全保障を保証する、永続的な解決を支持する用意がある」と語ったと説明。ただ、それを実現する唯一の方法は、パレスチナ国家への道筋を含む地域的アプローチを経ることだとの認識を首脳らが強調したとも言い添えた。
ブリンケン氏は「イスラエルがアラブ諸国に対して、永続的な安全保障確保の支援に必要となる厳しい決断を望むなら、イスラエルの首脳らは自らも難しい決断をする必要があるだろう」と述べた。