ベラルーシ、新たな軍事ドクトリンを採択 核兵器への言及盛り込む
(CNN) ベラルーシは19日、新たな軍事ドクトリンを採択した。人民大会で承認されれば、国内各地への核兵器配備に向けた第一歩になるとみられる。
フレニン国防相はこの日の記者会見で、「ベラルーシ領への戦術核配備は、潜在敵国による武力侵略を予防的に抑止する重要措置と位置付けられる」と説明した。
ベラルーシはこうした措置の導入を「強いられた」との認識も示した。
フレニン氏によると、集団安全保障条約機構(CSTO)やベラルーシ・ロシア連合国家に対する「武力侵略時」の対応について記述するため、「個別の1章が設けられた」という。
CSTOは旧ソ連構成国6カ国からなるロシア主導の連合で、北大西洋条約機構(NATO)と同様、加盟国は攻撃を受けた際に互いを支援する義務を負う。
CSTOが結成されたのは2002年。ロシア、アルメニア、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、ベラルーシの6カ国が名を連ねる。
フレニン氏は新ドクトリンについて、ベラルーシは「政府がどのような行動を取ろうと、いかなる国も敵国として扱わない」との姿勢を示すものだと説明した。
このドクトリンには全ベラルーシ人民大会の承認が必要となる。全ベラルーシ人民大会は議会と並行して運営されている代議機関で、ロシア国営RIAノーボスチ通信によると、4月に開催される予定。
ベラルーシはロシアのウクライナ侵攻で鍵となる役割を果たした。プーチン大統領によると、昨年6月には、ロシアの核弾頭が「抑止」目的でベラルーシに引き渡されたとされる。
ベラルーシのルカシェンコ大統領はその2カ月後、ウクライナ戦争には関与しないと強調しつつも、挑発を受けた場合には核兵器を含め「我々の持てる全てのもので直ちに対抗する」と警告。特にポーランドやリトアニア、ラトビアといった隣接するNATO加盟国を名指ししていた。