ガザの子どもほぼ全員に精神的ケア必要、100万人以上 ユニセフ
(CNN) 国連児童基金(ユニセフ)は4日までに、軍事衝突が続くパレスチナ自治区ガザ地区の子どもの苦難に触れ、少なくとも1万7000人が両親と別離したり、保護者がいなかったりする状況に追い込まれていると報告した。
ユニセフでパレスチナ担当の情報部門幹部はスイス・ジュネーブで、この数字はあくまで推定と釘を刺した。悪化する治安や人道対策に関する情報がガザで入手しにくい現状に言及した。
両親から切り離されるなどした子どもの人数は、ガザでの交戦に伴い居場所を失った住民約170万人の約1%との計算になる。ユニセフの推定によると、ガザで生きる子どもは100万人以上。ほぼ全員が精神衛生面や心理的な面での支援を必要とする状況にあると警告した。
ガザ訪問で子どもたちと接触したという同幹部は、彼らが精神衛生面での問題を抱えていることを指摘。爆撃音を聞き取った際、強い慢性的な不安を吐露し、感情的な爆発やパニック状態を示し、睡眠障害を患っているともした。
出会った11歳少女が避難先のおじの自宅にいた際、爆撃に遭い、両親や兄弟姉妹のほとんどを失った悲劇も紹介。少女は脚部を負傷して切断の処置を受け、現在は感染症に襲われているとした。
ガザ北部や中部にいる子どもを取り巻く環境が今後、さらに悪化することも懸念。「宗教、人種や話す言葉などにかかわりなく(ガザを実効支配するイスラム組織のハマスがイスラエルへ大規模奇襲を仕掛けた)昨年10月7日にみられた暴力行為に1人の子どももさらすべきではない」と訴えた。