米英軍、イエメンでフーシの30施設を攻撃
(CNN) 米英軍は3日、イエメンの10カ所以上で、同国の反政府武装組織フーシの拠点少なくとも30施設を空と地上から攻撃した。米当局者2人が語った。
当局者の1人が語ったところによると、標的には司令部や地下の武器庫、フーシが国際航路の攻撃に使う武器などが含まれていた。米軍のミサイル駆逐艦「グレーブリー」と「カーニー」が巡航ミサイル「トマホーク」を撃ち込み、空母「アイゼンハワー」搭載のFA18戦闘機も参加したという。
米英両国はオーストラリア、バーレーン、カナダ、デンマーク、オランダ、ニュージーランドとの共同声明を発表。「われわれは引き続き紅海の緊張緩和と安定回復を目指す一方で、フーシ指導部に改めて警告する」と述べ、世界でも極めて重要な航路のひとつで続く脅威に対し、「引き続き躊躇(ちゅうちょ)なく人命と自由な通商の流れを守る」と宣言した。
当局者2人によると、バイデン米大統領が数日前に攻撃を承認していた。
艦艇からの攻撃の様子/US Central Command
これに対してフーシ政治部門の幹部は3日、「イエメンでの米英軍の攻撃によってわれわれの立場は変わらない」とする声明を発表。イスラエルがパレスチナ自治区ガザ地区でのジェノサイド(集団殺害)をやめて住民を解放するまで、同国への軍事作戦を続行すると述べた。
米中央軍によると、米軍は同日、この攻撃に先立ち、フーシが紅海に向けて発射しようとしていた対艦巡航ミサイル6発を撃墜した。
バイデン政権は、ヨルダンの米軍基地で先週、米兵3人が死亡した攻撃への報復として、中東の親イラン組織に対する「多層的」な対抗措置を表明している。2日にはイラクとシリアで親イラン組織に対する大規模な空爆を実施し、さらなる攻撃を予告した。