「患者の運命はもう手に負えない」 ガザの病院に最後まで残る医師、絶望的な状況語る

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パレスチナ赤新月社の救急車に運び込まれる患者=19日、パレスチナ自治区ガザ地区南部のナセル病院/WHO

パレスチナ赤新月社の救急車に運び込まれる患者=19日、パレスチナ自治区ガザ地区南部のナセル病院/WHO

ガザの保健省は18日、同病院の医療従事者約70人がイスラエル軍に逮捕され、患者80人が病院から別の場所に移されたとしていた。行き先は分かっていない。

ハテム医師は、病院に戻ることを許された医師5人の中の1人だった。

「医師5人で150人の患者を診ることを想像してほしい」「我々はただ、患者を生かし続けるため、蘇生のための基本的な治療を必要としている。それだけだ」

20日には国連人道問題調整事務所(OCHA)が世界保健機関(WHO)やパレスチナ赤新月社と連携して、負傷した患者21人をナセル病院からガザ南部ラファの2つの野戦病院に避難させたことを明らかにした。

ハテム医師は、残る患者も適切な治療を受けられるよう、全員を別の病院に避難させてほしいとイスラエル兵に頼んだが聞き入れられなかったといい、「毎日患者が死んでいる。状況は非常に悪く、困難だ」と訴えた。

イスラエル軍の突入後、ハテム医師の患者は6人が死亡し、10人が集中治療室(ICU)に残っているという。ナセル病院に閉じ込められた状態にあるパレスチナ人の外科医は17日、ICUの患者は全員死亡するだろうと語った。

ハテム医師は言う。「私の人生で患者が助かるよう祈ったことはこれまで一度もなかった。患者の命を救うことは医師としての私の責任だからだ。しかし今、患者の運命は私の手に負えなくなった。患者の手当てができるだけの物資も器具もない。私は祈り、泣いている」

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