海に投下の物資、回収に向かった住民12人が水死 ガザ北部
(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区で25日、海に投下された支援物資を回収しようと泳いで沖に出た住民少なくとも12人がおぼれて死亡した。現地の救急隊が明らかにした。
現場は北部ベイトラヒア付近の海岸。CNNが入手した映像には、物資が投下された海岸に数百人が駆け寄り、一部は海に飛び込む場面が映っている。意識不明で横たわる数人に、住民らが救命処置を施す場面もある。
その場にいたという年配の男性はCNNに、物資が海岸から遠く離れた沖合に着水し、泳げない男性たちが取りに行っておぼれたと説明。「潮の流れが速く、パラシュートはすべて海上に落ちた。住民は腹を空かせている」「私は何も回収できなかった。若者は急いで取りに行けるが、私たちはそうはいかない」と話した。
男性はさらに「検問所をちゃんと再開してほしい。こういう屈辱的なやり方は承服できない」と訴えた。
海岸に投下される援助物資=パレスチナ自治区ガザ地区/CNN
北部ガザ市近郊の難民キャンプでは今月、空中投下の物資が住民を直撃し、少なくとも5人が死亡、10人が負傷したと報じられた。
25日の死亡事故につながったのがどの国の空中投下だったかは不明。この日はエジプト、ドイツ、英国、米国、シンガポール、さらにアラブ首長国連邦(UAE)とヨルダンが共同で物資を投下した。イスラエル軍によると、それぞれ実施された正確な時間は確認できない。CNNは各国の国防当局に問い合わせている。
海から援助物資を回収するパレスチナの人々/CNN
米国防総省の報道官が26日に語ったところによると、25日はガザに投下した物資の包み80個のうち、3個がパラシュートの不具合で海に落下した。同報道官によれば、物資は通常、海の上空で投下され、風で陸上へ運ばれるが、パラシュートの不具合が起きると海に落ちることもある。