徴兵免除のユダヤ教学院への補助金中止を命令、イスラエル最高裁

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(CNN) イスラエル最高裁判所は31日までに、徴兵免除が続くユダヤ教超正統派の教徒が通う学校への補助金支給を、4月1日から差し止めることを政府に命じた。

イスラエルのネタニヤフ首相率いる連立政権は、ユダヤ教超正統派系の2政党の支持を頼りにしており、最高裁の今回の判断は首相の権力基盤を突き崩す引き金になりかねない可能性もある。

超正統派系の政党は「シャス」などの2党。国家団結党に所属するガラント国防相とガンツ前国防相も、ネタニヤフ首相による超正統派の教徒の徴兵問題への立場に強く反対している。ガラント、ガンツ両氏は共に、パレスチナ自治区ガザ地区での戦闘に備えて組まれた戦時内閣の一員。

シャスのデリ指導者はSNS上での声明で、最高裁はユダヤ人国民の存在基盤の切り崩しを求めていると批判。「イスラエル国民が複数の戦線で生存を賭けた戦争に臨んでいる時、最高裁は兄弟争いを招くことをした」ともなじった。

イスラエルの社会で超正統派は長年、特別待遇を享受してきた。「イエシバ」と呼ばれるユダヤ教学院は政府から潤沢な補助金を得ており、最高裁の今回の判断はこれを止めさせることを狙った。若年層の教徒は建国期から、実質的に徴兵制から除外されてきた。

ただ、最高裁は1998年、長らく定着していたこの免除措置を問題視し、兵役義務に応じないことは平等の原則に抵触するものだと政府に苦言を呈していた。平等性に関するいかなる法規にもこの免除措置は取り込まれていないとも論じていた。

ユダヤ教超正統派系の教徒の徴兵問題は長らく国内争点となっていた。歴代政権や国会は問題の解決を試みたが、最高裁はこれらの努力についても違法と再三断じてきた。

主要都市テルアビブの街頭などでは最近、超正統派の徴兵免除に抗議する数千人規模のデモも起きていた。

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