イスラエル極右閣僚、ネタニヤフ首相に停戦合意しないよう要求
(CNN) イスラエルとイスラム組織ハマスとの間で行われている人質解放と停戦の交渉をめぐり、政権の極右閣僚らがネタニヤフ首相に対して、停戦案に合意しないよう激しい圧力をかけている。停戦に合意すればイスラエルはパレスチナ自治区ガザ地区南部ラファへの軍事侵攻が行えなくなる可能性がある。
交渉に詳しいイスラエルの情報筋がCNNに語ったところによると、ハマスはエジプトが提案した新たな取引の枠組みを検討しているという。提案は、7カ月近く続いているガザ地区での戦闘行為を一時停止する代わりに33人のイスラエル人の人質の解放を求めるものだ。
ブリンケン米国務長官は1日、ハマスによる昨年10月7日の攻撃以来7回目となる、この地域でのシャトル外交を締めくくった。
イスラエル政府の極右閣僚は、提案された取引は「ひどい」ものでイスラエル兵の犠牲を「ゴミ箱に捨てる」ものだと述べた。ネタニヤフ首相は一部のイスラエル議員らの怒りを買い、戦時内閣政権の極右メンバーをなだめることに苦慮している。
極右政党のメンバーであるストローク国家特命相は1日、イスラエルのラジオ局に対し「取引は恐ろしく、ひどいものだ。22人か33人を帰還させるためにすべてをゴミ箱に捨てるような政府に存在する資格はない」と語った。
人質の解放を求めて集まった家族や支援者=4月27日、イスラエル・テルアビブ/Jack Guez/AFP/Getty Images
人質解放と停戦の取引に合意するよう国内外から圧力がかかっているにもかかわらず、ネタニヤフ政権内の一部はイスラエル軍に対し、イスラエル人の人質の帰還よりもハマスの壊滅を優先し、ラファに侵攻するよう求めている。
極右派閣僚のスモトリッチ財務相は4月30日、停戦の提案を受け入れることは「白旗を揚げ、ハマスが勝利する」ことを意味すると述べた。
同氏は「我々はイスラエルが明確な勝利を得るか、屈辱とともにこの戦争で敗北するかのどちらを選ぶか決めるべき岐路に立たされている」と述べ、ネタニヤフ氏にこの提案を受け入れないよう求めた。