ユダヤ人入植者が農民と外国人活動家を襲撃 ヨルダン川西岸
エルサレム(CNN) イスラエルが占領するパレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区で、占領地に住むユダヤ人入植者の覆面グループがパレスチナ人農民と外国人活動家らの一行を襲撃した。被害者の話と、CNNが入手した映像で明らかになった。
外国人の8人は、西岸地区のパレスチナ人を入植者の襲撃から守る国際ボランティア活動に参加していた。
活動団体によると、米国人2人とドイツ人1人が骨折の疑いで西岸ナブルスの病院に運ばれ、もう1人の米国人が軽傷を負った。パレスチナ人農民のうち1人が病院に収容された。
ナブルスの病院で治療中の3人がCNNに語ったところによると、農民らは昨年10月以降、入植者の襲撃でオリーブ畑に近付けずにいたため、この日は活動家らが同行して畑へ向かっていた。
その途中、丘の上で入植者の若者らが立ちはだかり、野球のバットのような太い棒で活動家らを襲った。
本人たちが撮影した動画には、その場から逃げようとして1人が転倒し、もう1人が脚をけられたり、石を投げ付けられたりする場面などが映っている。
1人の女性は丘から転落して石を投げられた。携帯電話を破壊され、書類やカードを奪われたという。
イスラエル軍は声明で暴力行為を非難。現場に出動した兵士らの威嚇射撃により、襲撃犯らは逃走したと述べた。
イスラエルの西岸占領政策をめぐっては、国際司法裁判所(ICJ)が19日、違法との判断を下し、新たな入植活動の停止と入植者の退去、損害への補償を求めた。
しかし10日にはヘブロン南郊で入植者らがパレスチナ人の家族を襲う事件が発生。CNNが入手した映像には、家族が棒で殴り倒され、兵士が威嚇射撃をする場面が映っていた。