ウクライナ軍、ロシアへ大規模な越境攻撃か
(CNN) ロシア国防省などは、ウクライナ軍が6日に国境を越えてロシア西部クルスク州に侵入し、「大規模攻撃」を行ったと明らかにした。事実であれば、ウクライナ軍によるこの種の侵入としては初となる。
ロシアのプーチン大統領は、ウクライナ軍が「ミサイルなどさまざまな武器で民間の建物や住宅、救急車に向けて無差別に発砲した」と主張し、「大規模な挑発行為」だと批判した。
ウクライナの当局者らはロシア側の主張にコメントしなかった。CNNは独自に主張を検証することはできない。
ウクライナ軍が集落を占領したのか、あるいは戦略的な標的に損傷を与えたのかなど、攻撃の程度は不明。また、ウクライナ軍の兵士がロシア領に残っているかどうかも明らかではない。
クルスク州はウクライナ北部スーミ州と国境をはさんで接している。ロシアの当局や軍事ブロガーらは、ウクライナ軍が国境から10キロほど離れた人口5000人の町スジャの近くを空と陸から攻撃したと述べた。
撮影場所が確認された映像では、砲撃による被害がスジャで見られるほか、スジャの南東に位置する国境検問所がかなり破壊された様子が映っている。別の映像にはスジャに近づくウクライナ軍の部隊が映っているが、部隊がスジャに入ったのか、あるいは制圧したのかは不明。
ロシア防衛省は、戦車や装甲車両で武装した300人ほどの部隊がロシア軍の陣地を攻撃したとしている。
同省は当初、ウクライナ軍の攻撃を退けたと述べたが、後に出した声明では「敵は火災のダメージを負っている」と訂正された。
クルスク州のスミルノフ知事代理は7日、この24時間で住民数千人がスジャ周辺から退避したと明らかにした。