囚人交換で釈放のロシア人スパイの子ども、帰国便の中で初めて自らの国籍知る

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モスクワの空港で釈放されたロシアの諜報員とその家族らを迎えるプーチン大統領(右)/Mikhail Voskresenskiy/Sputnik/AP via CNN Newsource

モスクワの空港で釈放されたロシアの諜報員とその家族らを迎えるプーチン大統領(右)/Mikhail Voskresenskiy/Sputnik/AP via CNN Newsource

(CNN) 米国やロシアなど7カ国が関与した大規模な囚人交換で釈放されたロシア諜報(ちょうほう)機関の工作員2人が、子どもたちと共にロシアに帰国した。長く他国で暮らしていた2人の子どもたちは、自分たちがロシア人であることをモスクワに向かう機内で初めて知ったという。クレムリン(ロシア大統領府)が2日に明らかにした。

今回の囚人交換では子どもたちの両親のアルチョム・ドゥルツェフ氏とアンナ・ドゥルツェワ氏を含む計24人が釈放された。ロシア側はスパイ罪で収監していた米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)の記者、エバン・ゲルシュコビッチ氏や元海兵隊員のポール・ウィラン氏らを釈放した。

ドゥルツェフ氏とドゥルツェワ氏はアルゼンチン人の夫婦を装い、スロベニアで活動していた。同国でスパイ罪に問われ有罪判決を受けたが、囚人交換によって釈放された。夫婦は子どもたちと共に1日、仲介を務めたトルコから空路でモスクワに到着した。

クレムリンのペスコフ報道官は記者団に対し、当該の子どもたちについて「自分たちがロシア人であることを知ったのは、機体がアンカラを飛び立ったときだった」と述べた。

ロシアのプーチン大統領は滑走路で子どもたちを出迎え、スペイン語で挨拶(あいさつ)した。ペスコフ氏によれば子どもたちはロシア語が話せず、プーチン氏が誰かも分かっていなかったという。

涙をこらえながらタラップを降りたドゥルツェワ氏はプーチン氏と抱擁を交わした。プーチン氏はドゥルツェワ氏の頬や肩に口づけし、同氏とその娘に花束を手渡した。

ドゥルツェフ氏とプーチン氏も短く抱擁。その後、釈放された他の人々と共に一行は滑走路に敷かれたレッドカーペットを歩いて飛行機を離れた。

今回の囚人交換では、ロシア側が16人を釈放するのと引き替えに、西側諸国からスパイ容疑などで収監されていた計8人のロシア人が釈放された。

スロベニアで暮らしていたドゥルツェフ氏とドゥルツェワ氏は共に偽名を使い、それぞれITビジネスマンと美術品商を装っていた。

米国などの外国で拘束されているその他のロシア人について、ペスコフ氏は自国の関連機関にとってその命運は常に関心事であり、それに関わる取り組みを各機関が今後とも継続すると説明した。

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