台風10号が九州に上陸、370万人に避難指示
東京(CNN) 強い台風10号が29日、九州地方に上陸した。気象庁は鹿児島県に特別警報を発表し、浸水や土砂災害への厳重な警戒を呼び掛けている。
気象庁によると、台風10号は51メートルを超える暴風を伴って鹿児島市付近に上陸した後、勢力をやや弱めながら時速10キロでゆっくりと北上している。
当局は29日、大分県の一部地域の住民に対し、警戒レベルが5段階で最も高い「緊急安全確保」を発令した。レベル4にあたる「避難指示」の対象は九州全体で370万人に及んでいる。
九州各県からの情報によると、29日午前までに1人が行方不明となり、少なくとも47人が負傷した。
宮崎県からの映像は、電柱が倒れたり、道路に木の枝などが散乱したりした場面を伝えている。
動きが遅いため、同じ場所に長時間、激しい雨が降り続き、総雨量はすでに多くの地域で500ミリを超えた。一部では1000ミリに達する恐れがある。
![強風で倒れた木のそばを歩く男性/Yuchi Yamazaki/AFP/Getty Images](/storage/2024/08/29/e536402163fcdbc69475aa1523e33df0/a-man-walks-past-a-fallen-tree.jpg)
強風で倒れた木のそばを歩く男性/Yuchi Yamazaki/AFP/Getty Images
九州電力によると、九州では29日午前の時点で25万5150世帯が停電した。
台風から離れた地域でも大雨の被害が出ている。愛知県では27日夜、住宅1棟が土砂崩れに巻き込まれ、家族5人が生き埋めになった。このうち40代の女性2人は助かったが、70代の夫婦と30代の男性が死亡した。
台風10号はまもなく熱帯低気圧に変わる見通しだが、週末から来週初めにかけて本州付近を通過するとみられ、四国や本州など一部で500ミリを超える雨が予想される。