イスラエルが支援車列の先導車攻撃、4人死亡 ガザ地区
(CNN) 米支援団体の「米近東難民援助(アネラ)」は31日までに、パレスチナ自治区ガザ地区で人道支援車両がイスラエル軍の攻撃を受け、4人が死亡したと明らかにした。車列の移動計画に関して混乱が生じていたという。
アネラによると、犠牲者はいずれも現地のパレスチナ人で、アネラと契約する輸送会社に携わっていた。4人は車列の安全を確保するため先導車に乗り込むことに決めたものの、イスラエル当局の許可を得ていなかった。
車列が29日にケレムシャローム検問所を離れた直後、「ルートの安全性が確保されておらず、略奪に遭う危険性があるとの懸念から」、過去のミッションに携わった経験を持つ地域社会のメンバー4人が先導車両に乗り込んだ。
人道車列のミッションやルートについてはイスラエル当局と調整が行われていた。イスラエル国防軍(IDF)は先導車を攻撃した理由について、事前に合意した計画に反し、車内の男性が武装している様子だったからだとしている。
IDFは29日の声明で、「武装した男らを乗せた車のみが攻撃対象になることを改めて確認した後、彼らに対して攻撃が実施された」と説明。30日には、車列を先導する「武装した個人」の存在について調整が行われていなかったと強調した。
アネラによると、車列の移動計画では非武装の警備員を付けることを求めており、殺害された人物については事前承認が得られていなかった。人道支援関係者は通常、比較的安全な状態で移動するためイスラエル軍とルートの調整を行う。
アネラによると、この空爆で職員の死者は出なかった。支援者車列の2番目の車両に乗っていた職員の1人は、「至近距離で攻撃を目撃した」という。
今回の支援ミッションはガザ地区南部の病院に食料や燃料を運んでいた。アネラは5月以降、アラブ首長国連邦(UAE)との間で24回にわたり同病院への物資輸送を調整してきた。
この数日前には、 国連世界食糧計画(WFP)の車列がイスラエルの検問所付近で攻撃を受け、WFPによると「少なくとも銃弾10発」を受けていた。これを受け、国連はイスラエルに正式に抗議。IDFは現在調査を進めている。