受刑者から戦闘員へ、ウクライナ軍に加入しロシア軍と戦う元囚人たち
塹壕(ざんごう)で暮らして3カ月。その前は21日間の訓練を受けた。軍隊に入った選択に後悔はないが、当初の見込みが甘かったことは認めた。
「ここでの生活はきつい。楽しくもあるが、これほどきついとは思っていなかった」
歩兵として生きるのは特に危険だ。歩兵は軍の他の要員よりも多くの死傷者を出している。広大な土地を徒歩で移動する際はしばしばロシア軍のドローン(無人機)攻撃の標的となり、急いで塹壕へ飛び込むことになる。
ビタリーさんは、ドローン攻撃を受けて無残な死を遂げる戦友の姿も目にしてきた。
国防省は今年6月、囚人たちに従軍の機会を与える構想を立ち上げた。兵役に就くのと引き替えに、囚人たちは戦争が終われば自由の身となる。
ただ囚人の徴集には厳格な規定があり、レイプを初めとするあらゆる性的暴行で有罪となった囚人は入隊が禁じられている。CNNが今回取材した元囚人の大半は、強盗や重大な身体的危害で有罪となっていた。
シクバル大隊はCNNの取材に答え、現在殺人を犯した囚人の入隊も許可するよう求める法的な要請を行っていると明らかにした。そうした囚人は戦場で必要とされる技能を備えているとの考えからだという。
ビタリーさんは釈放されて徴集に応じた4650人の囚人の一人。このうち女性は31人となっている。ウクライナ国防省が明らかにした。従軍の意志を示していたのは合計で5764人だったという。同省は現在何人が前線に送られているのかは明言しなかった。