受刑者から戦闘員へ、ウクライナ軍に加入しロシア軍と戦う元囚人たち
囚人を戦闘員として受け入れるプログラムは兵員不足に対するてこ入れが目的だが、CNNが前線で話を聞いた人々はその問題点も口にする。具体的には訓練に一貫性がなく、期間も短いことなどだ。こうした問題の存在により、ロシア軍を撃退する能力が著しく損なわれていると彼らは指摘する。
ビタリーさんが所属する部隊の司令官を務めるオレクサンドルさんは、戦争が始まる2022年2月まで刑務所の看守を務めていた。元囚人の兵士たちは皆家族同然だとし、看守だった自分は彼らにとって「心理学者であり、父親であり、母親。どんな存在にもなる」と語る。
以前の職場だった刑務所からは今後さらに25人の元囚人が兵士として配属されてくるだろうと、オレクサンドルさんは見込む。
オレクサンドルさんによれば兵士の多くには家族がおり、彼らは自分たちの家族に罪を犯したことへの負い目を感じているという。ただ軍に参加している状況下では、彼らはもう囚人ではなく英雄だというのが、オレクサンドルさんの見方だ。
自らが率いる兵士らは、他にはない技能を身に着けているとも感じる。
オレクサンドルさんが示唆するところによると、社会の主流から外れた環境で生き延びてきた囚人は身体的に頑強で、精神的な粘り強さもある。「加えて抜け目のなさや論理的思考にかけては、一般市民を格段に上回る」ものを備えているという。